
俳優の松坂桃李さんが12日、都内でおこなわれたタイガー魔法瓶株式会社の新『ご泡火炊き(ごほうびだき)』シリーズ炊飯器「『土鍋は、タイガー。』 新製品発表会」に登場しました。『ご泡火炊き』シリーズは、土鍋が生み出す大火力と土鍋ならではの細かい泡立ちにより、お米の深い甘みと旨みを引き出し、粒立ちの良い理想の炊き上がりを追求した同社のフラッグシップ炊飯器です。

今回、21日から発売となる最上位モデル『土鍋ご泡火炊き JRX-S100/S060』など3機種がお目見えしました。

タイガー魔法瓶の”土鍋”へのこだわり
炊飯器商品企画担当の辻本篤史氏によると、タイガー魔法瓶では2006年から内鍋に土鍋を採用したジャー炊飯器を発売しています。炊飯器の内鍋は高い寸法精度と長く使用できる丈夫さが必須となります。タイガー魔法瓶は「ご飯の美味しさ」を追求するため、難易度の高い土鍋炊飯器にチャレンジしたといいます。

辻本氏は「通常の陶器は、毎回大きさの異なる一品一様の物でございます。ただ炊飯器の土鍋は毎回同じ大きさに作り上げないといけないため、世界中から十数種類の土を厳選し、その日の湿度や温度に合わせて調合を変えております」と説明。「そうすることで、焼成すると20mm近く収縮する焼き物の世界で、内径誤差1mm以下という厳しい成形条件を達成しております」と、高度な技術で土鍋を製造していることを語りました。

「完成までに約3か月かかり、非常に手間暇のかかるものでございますが、我々タイガー魔法瓶は『土鍋にしかできない、実現できないご飯の美味しさがある』と考え、20年近く土鍋を採用し続けております。その土鍋にしかできない炊き技を我々は『土鍋ご泡火炊き』と呼んでおります」とこだわりも。

辻本氏によると、『土鍋ご泡火炊き』の特徴は3つ。1つ目は「土鍋にしかできない圧倒的大火力」。通常の金属釜が約200度に対して、土鍋は最高約300度という直火に近い温度で炊き上げることができます。高温で炊き上げることにより、食感を保ちつつ甘みをしっかりと引き出すことが可能となるのです。2つ目は「高い遠赤効果」。金属釜と比較して約4倍の遠赤効果を持ち、お米の芯まで温めて旨味をしっかりと引き出します。そして3つ目は、「優しく激しい泡立ち」。土鍋は泡立ちが非常に良く、泡が米を包んで優しく炊き上げることにより、米を傷つけずに炊き上げることができます。その結果、粒感のある食感に仕上げることが可能になりました。

新機種には「極(きわみ)・低温吸水」や「おにぎり」メニュー搭載
そして注目の新機種の新機能が「極(きわみ)・低温吸水」メニューと「おにぎり」メニューです。「極・低温吸水」は、「より美味しくご飯を食べたい」という方にオススメのモード。辻本氏は「米穀店や料亭の職人さんもオススメする、一手間かかるメニュー」と言い、「使い方としましては、通常通り洗米、計量を行っていただきます。その後、(米を)タッパーに移し替えていただき、冷蔵庫で6時間以上冷やすという工程になっています」と説明した。

冷蔵庫で低温でじっくり吸水させることにより、食感を損なわずに甘みを引き出し、芯までふっくら炊き上げることができるといいます。冷蔵庫での吸水後、土鍋に戻して「極(きわみ)・低温吸水」モードでスタートボタンを押すと、自動で炊き上げ。実際に低温吸水させることで甘みを約26%アップさせることができるというエビデンスも出ているとのこと。辻本さんは「備蓄米で話題になっている古米など水分量や粘りが少ないお米も、『極(きわみ)・低温吸水』メニューでじっくりと吸水させることで、芯までしっかり水を含ませることができるので、甘みと粘りを引き出し、日本人好みの食感に近づけることができます」と語りました。
2つ目の「おにぎりメニュー」は、50年以上続くタイガーの炊飯器熱コントロール技術を活用し、タイガーが考える『おにぎりに最適な食感』にたどり着いたといいます。吸水時間を少し余裕を持たせることで、通常の白米メニューと比べ”もちもち感”が約14%アップ、噛みごたえも約4%アップしたというエビデンスも。辻本氏は「冷めても粘りと甘みがある、かつ、ほどけるような食感を実現しています」と、オススメしました。
土鍋の炊き立てご飯にうなる松坂さん「『おいしい』しか出てこない」

発表会では、同商品の新イメージキャラクターに就任した松坂さんが、炊きたてのごはんをイメージした湯気が立ちのぼる巨大な土鍋の中からサプライズ登場。「湯気からの登場はヒーローショー以来で嬉しいです」と照れ笑いし、会場を沸かせました。

好きな”ご飯のおとも”は「明太子」という松坂さん。この日は大好物の明太子と共に、、タイガー土鍋炊飯器最上位モデル『JRX-S型』で炊いた土鍋ご飯を試食することに。

慣れた手つきで土鍋ご飯をしゃもじでかき混ぜて茶碗につぐと、

さっそく炊き立てのご飯を実食!

あまりの美味しさに、 「ああっ!おいしい! 甘い!」とうなる松坂さん。目を閉じてお米のうまみをじっくりと堪能しました。「しっかりと一粒一粒の歯ごたえがちゃんと出ているので、噛んだ瞬間にちゃんと米の一粒一粒から甘みがしっかり出るのがわかりますね。すごくおいしいです」と絶賛し、「鼻からお米のいい香りが通って、より食が進みます。本当にこれ、お米だけでも全然食べられる! 箸が止まらなくなる。『おいしい!』しか出てこない(笑)。1日同じメニュー(土鍋ごはん)だったとしても問題ないくらい、充実感・満足感があります」と感動しながら食べ進めていました。
メニューによる味の違いは? 米の粒感や感触が変わる!

この日は報道陣にも、通常の白米メニューと「極(きわみ)・低温吸水」メニュー、「おにぎりメニュー」で炊いたご飯の食べ比べができる試食が用意されました。

通常の白米メニュー(右)で炊いたご飯も、十分に甘く、もっちりとした食感が楽しめました。その後、「極(きわみ)・低温吸水」メニューで炊いたお米(左)をいただくと、こちらは粒感がしっかり立ち、食感が際立つ味わいに。

「おにぎりメニュー」では、しっかり握られた食感を感じながらも、口の中でホロホロとほどける感触を楽しむことができます。冷めても美味しいので、おにぎりだけでなく、お弁当のご飯としても重宝するメニューです。

ちなみに、タイガー魔法瓶の炊飯器ブランドマネージャーの岡本正範氏によると、2015年から2024年の10年間の炊飯器業界の台数出荷の推移は減少傾向にあるといいます。消費増税や新型コロナウイルスなどの影響で、2020年頃までは約500万台で推移していた台数が、2021年以降は約450万台と、500万台を割りました。

しかし金額ベースでの推移では、2022年から伸長。2024年は前年ベースで103%の1033億円と広がっています。さらに、現在は国内炊飯器市場が5万円以上の高価格帯にシフトしていると説明。同社の高価格帯シリーズ『ご泡火炊き』が前年比120%と好調に推移していることを強調しました。販売台数が減少傾向にあっても炊飯器の単価は上がっていることから、売り上げ金額は伸長。この状況について、「少しでも美味しいご飯を食べたいという思いがある人が増え、より高機能でおいしく炊ける炊飯器を求める方が増えてきたのでは」と分析しています。

米不足や米高騰で、主食が手に入りづらい現在。備蓄米を美味しく食べる手段として、炊飯器にこだわってみるのも一つの手かもしれません。