
「物価は上がるのに、お給料はなかなか上がらない…」。そんな悩みを抱える私たちにとって、見逃せない新しい潮流が生まれています。
2月に福岡市内で開催された「#第3の賃上げ福岡アクション」発表会。ここでは、企業の福利厚生をさらに魅力的なものにすることで、従業員の生活を本気でサポートしようという、画期的な取り組みが紹介されました。
知っておきたい!「第3の賃上げ」とその背景
そもそも「第3の賃上げ」って何?

「第3の賃上げ」とは、福利厚生を通じて従業員の「実質手取り」を増やしたり、生活支出を軽減したりする新しい賃上げ手法を指します。従来の定期昇給(第1)やベースアップ(第2)に続くという意味で、「第3の賃上げ」と呼ばれています。
この取り組みは、株式会社エデンレッドジャパンが発起人となり、2024年2月に賛同企業20社で立ち上げたプロジェクトです。大手メディアや実際の導入企業など各方面からも温かい応援の声が寄せられており、現在、賛同企業は180社へ拡大しています。
通常の給与(現金)による賃上げでは、所得税や社会保険料がかかります。しかし、非課税となる福利厚生(食事補助など)を活用することで、従業員は控除なしで実質的な手取り額を増やすことができ、企業側も税負担の軽減につながるという、双方にメリットがある仕組みです。少額から導入しやすいのも特徴です。
なぜ今、この取り組みが注目されているのか?
近年、大手企業を中心に高いレベルの賃上げを達成しているものの、食料品や光熱費などの物価高騰がそれを上回り、実質賃金はマイナス成長が続いています。また、中小企業の経営者の約8割が「賃上げ疲れ」を感じているという報告もあります。
その中で、昨今は実質的な手取りの増加や、日々の生活の質を高める福利厚生へのニーズが非常に高まっています。事実、生活に直結した福利厚生が充実している企業に対しては、約9割の社員が「今後も働き続けたい」と回答しているデータもあります。
こうしたメッセージ性を持つ福利厚生を拡充させる取り組みは、企業のブランディングに寄与するだけでなく、結果として採用力のアップや従業員の定着(離職率の低下)につながり、ひいては事業の安定成長をもたらす戦略的な投資として期待されているのです。
政府を動かした!42年ぶりの税制変更

エデンレッドジャパンの天野総太郎社長
「第3の賃上げ」を掲げるエデンレッドジャパンは、賛同企業と共に政府への提言を続けてきました。その結果、食事補助の非課税枠上限が42年ぶりに見直され、これまでの月額3,500円から7,500円(2.1倍)へと大幅に引き上げられることが決定しました。
同社の天野総太郎社長は、「第3の賃上げが、今や国家レベルの経済政策としての役割を担い始めている」とその成果を強調。さらに、「今年はこの認知度を実践につなげ、導入企業の拡大と利用者の満足度最大化を図る『社会実装の年』へシフトしていきたい」と目標を語りました。
福岡でキャンペーンを行うワケ
福岡県は、賃上げ率が全国平均を上回る一方、人件費高騰などで倒産件数が過去最多を記録するなど、「成長と負担が同時並行で進む賃上げの二極化エリア」です。
エデンレッドジャパンの天野社長は、「福利厚生活用における地域格差の解消を実現すべく、福岡県で取り組みを強化したい」と語り、「賃上げ疲れから守り抜く、実質手取りアップと持続可能な賃上げを」というスローガンのもと、福岡県内の企業を対象に「#第3の賃上げ福岡アクション」を実施する理由を説明しました。
えっ、イマドキの福利厚生ってここまで進化してるの!? キャンペーン参加2社のサービス紹介
イベントでは、今回の「#第3の賃上げ福岡アクション」に参画し、福岡の企業を支援する2社のサービスが紹介されました。
福利厚生を通じて、大企業と中小企業の待遇格差を減らしたい
フリー株式会社(登壇者:相澤 茂氏)
フリー株式会社は、「待遇格差を軽減し、熱量を持って働ける会社を増やす」をビジョンに掲げ、借上社宅サービスやe-ラーニング、そして日常生活の出費を支援して実質手取りを増やす「ベネフィットサービス」などの福利厚生サービスを提供しています。
ベネフィットサービスは「ギフト」と「優待割引」の2つの機能を備えています。ギフト機能ではカフェやコンビニなどで使えるギフト券が定期的に届き、優待割引機能では映画館やカラオケ、レンタカーなどの多彩な割引を回数制限なしで利用できます。
同社の相澤氏は、年々広がる大企業と中小企業の待遇格差に対し、中小企業はベースアップなどの賃上げ対応が追いつきにくい実情を踏まえ、「定期昇給やベースアップだけでは足りず、福利厚生という『第3の賃上げ』を検討する企業が増えている」と現状を分析。さらに「従業員によって使いたいサービスは異なるため、その多様なニーズに応えられるのが割引サービスの強み。今後もこうしたニーズに応える福利厚生を提供していきたい」と語りました。

フリー株式会社・相澤氏
アルバイトや業務委託、家族も対象に。幅広く使える「旅の福利厚生」
株式会社リゾートワークス(登壇者:熊谷 豪氏)
沖縄に拠点を置く株式会社リゾートワークスは、「旅に特化した福利厚生」を提供しています。全国の提携宿泊施設を、一般予約サイトと比較して30%~最大80%の割引価格で利用できるサービスで、特筆すべきは、経営者や正社員だけでなく、アルバイトや業務委託、さらには本人の「二親等以内の親族」までが利用可能という点です。さらに、プライベートだけでなく、ビジネスの出張にも使えるため、導入企業にとっても経費削減を見込めるメリットがあります。
熊谷氏は、「例えば、賃金を1,000円上げたとしても、なかなか上がった実感を得られにくいが、6万円のホテルが2万円で泊まれるとなると、4万円分が浮いたことをすぐに感じられる」と、「実感価値」のある同社のサービスを利用した「第3の賃上げ」の意義を強調。その上で、「福利厚生はコストではなく、投資であるべき」と持論を展開しました。

株式会社リゾートワークス・熊谷氏
定着率向上や家族の応援も!「第3の賃上げ」導入企業2社の声
トークセッションでは、実際に「第3の賃上げ」を活用している福岡の企業2社から、リアルな声が届けられました。
福利厚生の真価は、給与では代替できない
SKソリューション株式会社(導入サービス:食事補助「チケットレストラン」)
九州の製造業を中心に自動化(ファクトリーオートメーション)を提供する同社。内山康正取締役は、導入後、福利厚生の利用率が10%から82%へ劇的に改善したと明かしました。従業員からは「食事補助が一番助かる」という切実かつ喜びの声が寄せられ、内山氏は「給料は生活の基盤だが、福利厚生は人生の基盤や安心感を与えるもの」とした上で、次のように語りました。
「高い給料をもらっても、体を壊したり、家族や恋人との時間が皆無に近かったりすれば、その価値は目減りする。一方で、在宅勤務やリフレッシュ休暇は心のゆとりを生み、人間ドックなどのメンタルヘルスケアは病気の予防支援になる。これこそが、給与では代替できない福利厚生の本質的な価値ではないか」
さらに採用現場でも、現在の学生は給与と同じくらい福利厚生を重視していると指摘。福利厚生は単なる「従業員へのプレゼント」ではなく、採用や定着率を高めるための「企業の生存戦略」であると実感を込めて語りました。

SKソリューション株式会社・内山氏
家族からの「いい会社でよかったね」が、賃上げ以上の価値に
株式会社FORTUNA(導入サービス:「旅に特化した福利厚生」)
売上アップコンサルティングを展開する少数精鋭の同社は、社員だけでなく、約50名の業務委託メンバーとも利益を分かち合える仕組みを探していました。そこで導入したのが、雇用形態を問わず利用できるリゾートワークスの「旅に特化した福利厚生」です。
河野将侑CEOは、社員や業務委託メンバー本人はもちろんのこと、大幅な割引を利用した家族旅行の機会が生まれ、「その背後にいる家族」からの反響が大きかった点を最大の導入効果として挙げます。その上で、家族から「いい会社でよかったね」と応援してもらえる環境づくりこそが、賃上げ以上の価値を生んでいると力を込めました。
さらに河野氏は、福利厚生にかかる費用を単なるコストではなく、事業に貢献してくれるメンバーへの「投資」であると捉えています。こうした体験や喜びという「無形資産」が、今後の新たな人材獲得においても強力な差別化要因になると語りました。

株式会社FORTUNA・河野氏(右)
「給与」だけでは人は来ない。求職者が企業に求める「新しい価値」とは
導入2社の事例から見えてきたのは、「賃上げと福利厚生はトレードオフの関係ではなく、両立させるべき企業戦略である」という点です。福利厚生は単なるコストではなく、会社から働くメンバーやその家族への大切なメッセージであり、企業成長に向けた重要な投資のポイントとなっています。
現在、求職者のニーズも大きく変化しており、給与に負けないくらい「どのような福利厚生があるか」を重視するようになっています。株式会社FORTUNAの河野氏は、過去に登壇した学生向けの合同就職フェアでの苦い経験を明かしました。
「参加企業10社の中で『うちが一番稼げます』と力強くプレゼンし、他の経営者たちとも『間違いなく一番人気になるだろう』と話していた。しかし、結果は真逆で、全くの人気なし。今の時代、『頑張れば稼げる』という単純なメッセージだけでは、人は集まらないと痛感させられた」
このように、働き手の価値観はかつてないほど多様化しています。もはや企業側も、旧態依然としたアピールから脱却し、こうした新たなニーズに本気で向き合う姿勢が問われています。福利厚生を拡充する企業が増えることで、給与の引き上げだけに頼らない「新しい賃上げのスタイル」が、これからの日本におけるスタンダードになっていくかもしれません。
誰もが「豊かさ」を実感できる社会の実現に向けて、第3の賃上げをはじめとする企業の新しい取り組みに、ますます注目が集まっています。
【キャンペーン概要】

対象:福岡県内に本社または事業所がある企業
キャンペーン内容:
エデンレッドジャパン(食事補助):システム利用料3ヶ月分無料(福岡県内企業、4/30まで運用開始、先着50社)。
リゾートワークス(旅行):5万円〜10万円相当の「1泊2名の宿泊券」プレゼント(6月まで契約)。
フリー:「freee福利厚生」基本料金を半額。
【キャンペーンサイト】https://tkrt.jp/fukuoka_cp26

