
2025年7月1日、東京・表参道(北青山)に、心と身体を慈しむ「養生」をテーマにしたライフスタイルカフェ「enoak(エノーク)」がオープンしました。株式会社enoakが手掛けるこのカフェでは、日本の古くからの知恵である「養生」を現代のライフスタイルに落とし込み、「食べることをセルフケアのための第一歩に」という想いを込めたメニューが提供されます。事前にメディア内覧会にてお店のコンセプトやメニュー開発の秘話を聞いてきました。
ブランドディレクターが語る「enoak」に込めた想い

ブランドディレクターの大磯爵歌さんは、働き方やライフスタイルが様化し日々忙しさと向き合う現代において、心と身体を心地よくととのる「ウェルビーイング」への関心が高まっていることに注目。日本に古くから伝わる暮らし方の知恵“養生”を現代のライフスタイルに取り込みやすい形をテーマに考えたと語りました。“食べることをセルフケアのための第一歩に”との想いを大切に考え、その原点として日本の四季、旬の食材を活かしたメニュー開発を進めたそうです。

メニュー開発には日本伝統食文化協会代表理事袖山洋子さんが携わっています。日本の後世に残していきたい食文化が袖山さんにより伝統を大切に現代風に生まれ変わりました。昔ながらの「おいしい」「心地いい」という心と身体の声に耳を傾け、自然と心身の巡りが整っていくような場を提供したいという大磯さんの想いは、enoakの空間全体からもプロデュースされており都会の中なのに落ち着つける空間から感じました。

「enoak」という店名は、「縁(en)」と「樫の木(oak)」を組み合わせた造語で、人と自然、人と人、人と自分自身がつながる「縁」と、ヨーロッパで大切な樹とされる「oak」を組み合わせ、緑蔭に包まれ深呼吸できるような空間をイメージしているとのこと。 ロゴマークも、重なり合う線でできた円が、人や自然、心と身体がつながり、まるく輪になっていく様子を表現しており、店名とロゴに込められた想いが伝わってきます。
試食会で体験!心身に染み渡る「和のポタージュ すりながし」と「香るスムージー」

メインとなるのは、日本料理の腕ものの一種である「すりながし」を現代風にアレンジした「和のポタージュ」です。旬の野菜や豆、魚などの素材をすりつぶし、ミネラル豊富な出汁で伸ばしたというこのポタージュは、まさに「和のポタージュ」と呼ぶにふさわしい逸品でした。写真は「選べるすりながしプレート」の2種のすりながしとLOVEGセット 2,300円。パンと野菜や豆、すりながしのだしに使う鶏ボーンブロスのだしをとった後の鶏肉が入ったボリュームたっぷりの小鉢がセットになったメニューです。
オープン時には、夏に起こりがちな身体の不調におすすめの「トマト」「トウモロコシ」「枝豆」「なす」「ズッキーニ」といった夏の野菜を活かしたラインナップが用意されています。私が試食したのは、鮮やかな色合いのズッキーニのすりながしと、優しい甘さのトウモロコシのすりながし。ズッキーニのすりながしは濃い緑色ですが野菜の苦みやえぐみは感じられず全体がまとまった優しい味です。トッピングのしらすの味も感じ、チーズとピンクペッパーがアクセントになり一口食べるたび新しい発見がありました。
トウモロコシのすりながしは素材本来の甘みが際立っており、昆布だしが使用されているので後味の奥深さが感じられます。彩りも楽しく日本ならではの「旬」を見て、舌でも感じることが出来ました。どちらも非常に滑らかな口当たりで、体にすっと染み渡るような優しさを感じます。

また、「香るスムージー」もenoakの大きな魅力です。旬の野菜や果物に植物由来の乳酸菌と花やハーブの芳香蒸留水を加えたというスムージーは、後味まで華やかな香りが広がり「香る」ことで気分も落ち着いてスッキリすることを体験できました。試食会で提供された「サマージュエルスムージー 1,200円」はスイカを種ごと使用した見た目も夏らしい一品。スイカのシャリッとした歯ごたえとアクセントのコショウでスイカの新しい美味しさを知りました。単なるスムージーではなく、香りによって心身が解き放たれるような、新しい感覚を味わうことができ今後の季節のスムージーも楽しみです。
これらのメニューは、食材を余すことなく使うことでフードロス対策にも配慮しているとのこと。野菜の皮や芯などもまとめて煮込むと美味しい出汁になるベジブロスに。食べられる部分は最後まで余すことなく使用し、破棄する場合でもコンポストを使用し堆肥としてまた植物に使用し無駄なく活用されているそうです。契約農家から仕入れた安心・安全な食材を丸ごと使い切ることで、身体にも味わいにも良い影響があるという理念に感銘を受けました。
「穏やかさを育む」enoakのハーブガーデンテラス

表参道のenoakにはテラス席もあります。店内から足を踏み入れると、そこには意図的に育まれた穏やかさがあります。長くモダンなプランターには、様々なハーブや季節の植物が植えられ、屋外の座席エリアを囲む自然で香り高い境界線を作り出しています。この思慮深いデザインは、食事をする人々にプライバシーと静けさをもたらすだけでなく、enoakの「養生」というテーマを強調し、ゲストが周囲と関わり、バランスを見つけるよう誘います。また都会で日々せわしなく活動する合間に「旬」を感じることができる貴重な空間です。ハーブの生きた緑の壁は、カフェのホリスティックなウェルビーイングへの献身を、視覚的にも感覚的にも思い起こさせます。
食事だけでなく、暮らし全体を豊かにする「養生」体験

enoakは、カフェとしての飲食提供だけでなく、物販やワークショップを通じて「養生」を多角的に提案してくれます。
物販コーナーでは、「身体にいい」「地球にいい」をテーマに、店内で提供される食関連商品だけでなく、快眠・温活・香り系のセルフケアアイテム、器や食卓を彩る品々など、暮らしに取り入れやすい「養生」アイテムが多数並んでおりその場で買うこともできます。
さらに、毎月開催されるワークショップやPOP UP SHOPでは、「養生」を体感できる様々なアクティビティが企画されています。 7月9日〜13日には「enoak×蛍茶園 旬の果実を醸す、涼氷のめぐみ」を開催。大分県のお茶屋さんが作る大人気のかき氷が都内で食べられるのは大変めずらしくこの期間を見逃せません。7月25日〜26日には「The LittleI Shop of Flowers 香りの森を編む、夏」を開催。

オープン直後にも入荷されている手ぬぐいは花の残渣で染色するシリーズです。花屋さんとして花を最後まで活かすために考えられた工夫はenoakのテーマと合っており自宅でも思い出すことが出来る商品です。
8月5日〜9日には「enoak×Helium ナチュラルワインと過ごす夏」が予定されています。メニューのワインスムージーに使われている国産のワインのワークショップでこちらも見逃せません。五感を使って「養生」に触れることができる貴重な機会となりそうです。
詳しくはenoakの公式Instagramをチェックしてみてください。
https://www.instagram.com/enoak_aoyama/
店舗情報

「enoak」は、東京メトロ銀座・千代田・半蔵門線 表参道駅より徒歩4分の「Les Sta 北青山 1F」に位置し、アクセスも抜群です。
- 店名: enoak (エノーク)
- 所在地: 東京都港区北青山3丁目13番12号 Les Sta 北青山 1F
- アクセス: 東京メトロ銀座・千代田・半蔵門線 表参道駅より徒歩4分
- オープン日: 2025年7月1日(火)
- 営業時間: 9:00-20:00
- 定休日: なし
- 席数: 56席 (屋内33席、テラス23席)
- ご利用方法: イートイン/テイクアウト (すりながし、スムージー、スムージーボウルなど)
「enoak」は、日々の忙しさの中で心と身体のウェルビーイングに関心がある人に特におすすめのスポットです。美味しい食事を通じてセルフケアができ、さらに暮らしを豊かにするヒントが得られるこの新しい養生カフェに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。