
キユーピー株式会社と青山学院大学は、学生が考案したプラントベースフード(植物性食品)のオリジナルメニューを、10月6日から17日までの期間限定で同大学青山キャンパスの学生食堂で提供します。この取り組みは、学生の柔軟なアイデアを通じて、若年層にプラントベースフードの魅力を伝え、喫食機会を創出することを目的としています。
学食での発売初日の6日には、オリジナルメニューの開発やマーケティングに関わった同大学の学生5人も集まり、取材会が行われました。
大学主催マーケティングコンペ 優勝チームの企画を実現!

この企画は、青山学院大学経営学部が主催するマーケティング・コンペティション『AMCA(Aoyama Marketing Competition of Aogaku)』から生まれました。キユーピーが協賛企業として同社のプラントベースブランド『GREEN KEWPIE(グリーンキユーピー)』の認知度向上をテーマに課題を提示したところ、経営学部の学生チームが考案した「無意識タリアンに届け!GREEN KEWPIE!」が見事、最優秀賞に輝きました。

経営学部の北村恵太さん(写真中央)は、「昨年の夏にマーケティングコンテストを行って、冬あたりからキユーピーの方々とミーティングをして今まで考えてきました。みんなで予定を調節して考え、5人もいるのでみんなが納得するような形で作上げるのが少し大変だったかなと思います」と振り返りました。

学部の授業で学んだことも役立ったといいます。例えば単純接触効果の『ザイオンス効果』(※人や物に何度も繰り返し接触することで、その対象への好感度や評価が高まる心理現象)を活用。学内の至るところにポスターや旗、看板を掲げ、注目されるように工夫しました。

また授業でも学んでいる『スウォット分析』(※企業の現状を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素に分類して分析するフレームワーク)を用いて根拠づけたデータをもとに考えたことで、実装の難しさも改めて感じたといいます。
そして冒頭に出てきた「無意識タリアン」は、彼らが作った造語。「柔軟な」を意味する「フレキシブル」と「ベジタリアン」を組み合わせた造語『フレキシタリアン』をモチーフに、「健康や環境のために、無意識に野菜中心の食生活を心がけている層」を指しています。
500円で買えるプラントベースランチで「青学認知度100%」目指す

コンテストは通常、アイデアの発表で終わることが多い中、今回はキユーピーと大学が連携。受賞アイデアの「社会実装」に挑戦しました。約2年がかりのプロジェクトとして、メニュー開発から提供までを実現させたのです。
提供されるメニューは、学生たちがターゲットとして設定した「無意識タリアン」に響くよう工夫された3品。2週間にわたって違う種類の3品が提供されます。

1週目は『てりやきサラダチキンサンド』や、植物性原材料が主体のスクランブルエッグ風商品『HOBOTAMA スクランブルエッグ風』を使用した『プラントベース三色丼』、

『植物生まれのシーザーサラダ ドレッシング』を使用した『プラントベースのパスタサラダ』を1コインの500円で提供します。

北村さんは、「僕も元々、マーケティングコンテストに出場するまでは、プラントベースフードのことは全然知らなくて」と明かし、「コンテストに出場して実際にこの案を実装するとなった時に、近くの国連大学の前でもファーマーズマーケットでプラントベースフードが販売されていたので、日常に取り入れるようにしていきました。ようやく僕の周りの友達の中では、プラントベースフードの認知がちょっと高まったかなっていう感じです」と体感。「プラントベースフードって言うと、ちょっとハードル高いようなイメージはあったんですけど、実際食べてみると、普通のお肉と全然遜色なく、卵も変わらない味ですごいおいしく食べられたので、より広めたいなという気持ちが強まりました」と語りました。
プラントベースフードは継続的に取り入れようとすると、高価格になりがち。今回は学食ということで1コイン500円でメニューを考えたことについて聞かれると、「『学内で売る』ということを目標にしてきたので、もともと学食が比較的に安く販売されてるので、そこで高値で売ってしまうと売れないし、認知度も高くならないと思ったので、500円ぐらいに収めるようにしました。キユーピーの方々に協力していただいて、ここまで価格を抑えられたのかな」と説明。さらに「青山学院での認知度100%」を目指していることから、「実際に食べてもらって、きっかけにしてもらいたいので、価格はその抑えるように相談しました」と振り返りました。
キユーピーで本企画のプロジェクトリーダーを務めた綿貫智香さんは、「学生の皆さんは『マーケティングってもっとキラキラしてると思った』と話していました。アイデアを形にする難しさや、多くの人が関わる大変さを学んでくれたと思います」と、学生たちの成長に目を細めました。
実食! 植物性ソースを使ったパスタランチは満腹感も

筆者も実際に『プラントベースのパスタサラダ』をいただいてみました。

こちらはサーモンを使用しているので完全プラントベースではありませんが、植物性のソースを使った野菜たっぷりなサラダパスタです。

2種類のソースを合わせることで、爽やかながらも濃厚な口当たりのパスタに! ソースが絡む野菜とショートパスタを一緒にモグモグ食べることで、歯ごたえもあり満腹感も得られます。

ソースは「植物性」と言われなければ気づかないほど、シーザー感がしっかりあります。学食でワンコインでプラントベースフードを食べることができたら、植物性食品を日頃から身近に感じることができますね。

ちなみに青山学院大学の最寄り駅・東京メトロ表参道駅にも、学食メニューの広告が掲げられていますよ。

『GREEN KEWPIE』のシリーズはスーパーなどでも購入できるので、みなさんもプラントベースフードを試してみてはいかがですか?


