「1日1個のりんごは医者いらず」は本当だった? 専門家が語るりんごの驚くべき健康・美容パワー【7種のりんご食べ比べ!】

青森県に苗木が配布されてから今年で150周年を迎える『青森りんご』。古くから「1日1個のりんごは医者いらず」と言われますが、そのことわざを裏付けるようなりんごの持つ驚くべきパワーが、専門家たちの研究によって次々と明らかになっています。

11月5日の『いいりんごの日』を前に、4日に都内で開催されたりんごセミナーでは、医師や専門家がりんごの健康・美容効果から、美味しいりんごの見分け方、正しい保存方法までを詳しく解説しました。

ちなみに『いいりんごの日』は、りんごの名産地・青森県が2001年に制定したものです。

腸活の新常識!りんごに含まれる「発酵性食物繊維」の力

「1日1個のりんごは医者を遠ざける」とイギリスのことわざがある程、健康や美容面の効果が昔から期待されてきたりんご。腸内細菌研究の第一人者である京都府立医科大学の内藤裕二教授は、近年の健康トレンドである「腸活」において、りんごが非常に有効な果物であると指摘します。

「りんごには、腸内細菌のエサとなる『発酵性食物繊維』が豊富に含まれています。これにより腸内で短鎖脂肪酸が作られ、腸内環境を整えるだけでなく、全身の健康維持に役立ちます」と内藤教授。特に、食物繊維やポリフェノールが豊富な皮ごと食べることを推奨しており、皮付きのりんご(ふじ)1個には約6gもの食物繊維が含まれているといいます。

また、最新の研究ではプラントベース(植物由来)の食事が健康長寿に繋がることが示されており、その中でも果物は健康的な食材の代表格。ただし、果汁飲料では食物繊維などが失われてしまうため、りんごそのものを食べることが重要だと強調しました。

まさに「食べる美容液」!美肌とアンチエイジングへの効果

内科・消化器科医の工藤あき先生は、りんごを「食べる美容液」「食べるお守り」と表現し、その美容効果と栄養バランスの良さを解説しました。

「りんごのポリフェノールの約6割を占める『プロシアニジン』には、カテキンやレスベラトロールよりも強力な抗酸化作用があります。これにより、体のサビつきを防ぎ、アンチエイジング効果が期待できます」

女性を対象にした研究では、りんごの継続的な摂取がシミの原因となるメラニンを抑制し、肌のトーンアップに繋がったというデータもあります。さらに、ビタミンCやカリウムも豊富で、免疫力の維持やむくみ解消にも役立つため、「季節の変わり目の体調管理にも最適」だといいます。食べるタイミングとしては、セカンドミール効果(次の食事の血糖値上昇を抑える効果)が期待できる朝食にプラスするのがオススメとのことです。

プロが教える!美味しいりんごの見分け方と正しい保存方法

また、セミナーにビデオレターで登場したのは、年間400種類以上のりんごを食べるという「りんごマニア」の”はたんきょー”こと畑主税(はた ちから)さん。畑さんは「美味しいりんご」を見分ける3つのポイントを教えてくれました。

美味しいりんごの見分け方

  1. 表面を見る:皮にハリとツヤがあり、赤い品種は色が鮮やかなものを選ぶ。
  2. お尻を見る:お尻の部分が緑色ではなく、適度なクリーム色(あめ色)になっているものが完熟のサイン。
  3. 重さを比べる:同じ大きさなら、ずっしりと重い方が果汁を豊富に含んでいる。

りんごの保存の仕方

また、りんごの蜜は「ソルビトール」という糖の一種で、甘さ自体は砂糖より控えめ。しかし、特有の香りと爽快感でりんご全体の美味しさを引き立てる役割があるといいます。

さらに、『一般社団法人青森県りんご対策協議会』の里村桃子さんが、りんごの鮮度を長く保つための保存方法を教えてくれました。

りんごを美味しく保存する方法は、以下の通りです。

  • 基本は冷蔵庫で保存:りんごが発するエチレンガスは他の野菜や果物を傷める原因になるため、ポリ袋に入れて口をしっかり縛るのが鉄則。
  • 乾燥と水滴を防ぐ:ポリ袋に入れる前に、新聞紙やキッチンペーパーで1個ずつ包むと、乾燥を防ぎつつ、りんごの呼吸による水滴の付着を抑え、より長持ちする。

すっぱいものから甘いものまで…7種類のりんご食べ比べ!

ちなみに青森県内で主に栽培されているりんごは、『つがる』『早生ふじ』『トキ』『世界一』『王林』『ふじ』など約50種類。そのうち市場に主に出荷されているものは約40種ほどです。世界では約15000種、日本では約2000種類のりんごがありそうです。

セミナーでは、『紅玉』『ジョナゴールド』『早生ふじ』『黄輝(こうき)』『おいらせ』『シナノスイート』『トキ』の食べ比べをさせていただきました。

紅玉

小ぶりな『紅玉』は明治時代から栽培されているりんご。モシャモシャとした柔らかい食感で、味はすっぱめ。アップルパイなどのお菓子や加工用によく使われるそうです。

ジョナゴールド

『ジョナゴールド』は『ゴールデンデリシャス』と『紅玉』を掛け合わせたもので、甘酸っぱく爽やかな味。モサモサとした柔らかく緻密な食感です。青森県では長期貯蔵に適した有機栽培のものが多く、夏まで販売されています。

早生ふじ

『早生ふじ』は『ふじ』に袋をかけて栽培したもの。『サンふじ』よりも果肉が明るめの紅色で、やさしい甘さが特長。シャキシャキと硬めの食感です。貯蔵性に優れており、春~夏に主に販売されています。

黄輝

そしてレアな品種なのが『黄輝』です。黄色い皮が特長で、『早生ふじ』に分類される『ひろさきふじ』の枝代わりで育成されました。シャキシャキとした食感で、控えめな甘さでさっぱりしています。

おいらせ

そして『おいらせ』は、『スターキングデリシャス』と『つがる』の掛け合わせで、爽やかな甘さ。モシャモシャとしたやわらかい食感です。香り高く、水分量が多くみずみずしい果肉です。さらに特徴的なのが蜜の入り方。通常は種の周囲に蜜が入ることが多いですが、『おいらせ』は霜降り肉のように全体に蜜が入っています。

シナノスイート

そして、店頭でもよく見返る『シナノスイート』。こちらは『ふじ』と『つがる』の掛け合わせで、青森りんごですが長野県で育成されています。サクサク、シャキシャキとした硬めの食感で、名前の通り甘みが強くスイートです。

トキ

そして“りんご界のサラブレット”と呼ばれているのが、『王林』と『ふじ』を掛け合わせた『トキ』です。パキパキとした歯ごたえのある硬い食感に、ジューシーで強い甘みが特長です。糖度が高く、甘さをしっかり感じられる上に爽やかさもあります。筆者は『トキ』が一番お気に入りでした。

りんごのオススメのカット方法:スターカット

りんごは皮ごと丸ごと食べることがオススメなので、カット方法を工夫することで丸ごと食べることができます。それが”スターカット”です。皮つきのまま薄く輪切りにすることで、芯や種以外の部分を丸ごといただくことができます。

「食べる」という最も身近な健康法。150年の歴史を持つ青森りんごを、専門家が推奨する知識や食べ方とともに、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてくださいね。

この記事を書いた人
コティマム

パラコネニュース編集長。元テレビ朝日芸能記者。現在も『ENCOUNT』や小学館『DIME WELLBEING』『Yahoo!ニュースエキスパート』など有名媒体で歌舞伎や舞台、芸能イベント、企業・経営者を取材中。芸能人や著名人などインタビュー経験多数。執筆記事1.2万本以上。取材は5300回以上。パラコネニュースでは“バズり”を知っているインフルエンサーやライターが、“次にバズる”最新情報をお届けします♪

コティマムをフォローする
ライフ
スポンサーリンク
シェアする
タイトルとURLをコピーしました