あなたの毎日の一杯が変わる！「紅茶ポリフェノール」驚きの新常識

「ほっと一息」が、あなたの健康を変える！最新セミナーレポート

2025年10月30日（水）、東京・日本橋の会場で、一般社団法人ウェルネス総合研究所が主催する『紅茶ポリフェノールの働き、最新知見』セミナーが開催されました。

11月1日の『紅茶の日』に先駆けて行われたこのイベントは、「毎日忙しいけれど、健康には気をつけたい」子育てや仕事に奮闘する世代に向けて、紅茶に秘められた「新しい健康パワー」をいち早くお届けするために企画されました。

活動のスタートと「想い」新しい研究所が目指すもの

セミナーの冒頭では、主催であるウェルネス総合研究所の赤坂幸正執行責任者兼フェローが挨拶に立ちました。

赤坂氏は、同研究所が日頃から健康やウェルネスの分野で、調査やコンサルティングを通じて、企業やメディアの活動をサポートしていることを紹介。「健康に関する情報は日々新しくなります。私たちは、最新の研究を分かりやすい形でお届けすることが使命だと考えています」と語りました。

そして、このセミナーの開催に合わせて、紅茶の健康に関する情報を集め、発信する「紅茶ポリフェノールラボ」を立ち上げたことを発表。「このラボを拠点に、紅茶の持つ素晴らしい可能性を、もっと多くの人に知ってもらいたい」という熱い想いを伝えました。

専門家が解き明かす！「あなたの紅茶」のすごい秘密

今回のセミナーでは、食品や栄養学の第一人者である2人の先生が登壇しました。

農学博士で甲南女子大学医療栄養学部医療栄養学科准教授の川畑球一先生、そして農学博士で静岡県立大学食品栄養科学部客員教授の中山勉先生です。お二人が、難しくなりがちな研究の話を、生活に役立つ情報として分かりやすく解説してくれました。

体のバリアに直接働きかける「即効パワー」

中山先生は、紅茶に特に多く含まれる「テアフラビン」という、紅茶の赤い色のもとになっている成分の驚きの働きに注目しました。

ウイルスをブロック！日常の予防に期待

紅茶のエキスには、インフルエンザウイルスや、あの新型コロナウイルスの感染力を弱める働きがあることが研究で分かっています。このパワーの秘密は、テアフラビンがウイルスの膜（表面）に直接ピタッとくっついて、ウイルスの動きを止めてしまうことにあるそうです。日常で飲む紅茶が、私たちの体を守るバリアになってくれるかもしれません。

気になる脂質の吸収をブロック

さらに、このテアフラビンは、私たちが食べた脂質やコレステロールを吸収する前に、腸内でギュッと固めてしまうような働きも持っています。この働きのおかげで、余分な脂質の吸収が抑えられ、悪玉コレステロール（LDL）が減る可能性も示されました。「いつもの一杯」が、食後の体のケアにも役立つというのは嬉しい情報ですね。

飲んですぐに変化！驚きのスピード

面白いことに、テアフラビンは飲んでもほとんど体に吸収されない成分なのですが、なんと飲用後わずか5分ほどで血流が良くなるという実験結果も出ています。これは、吸収を待たずに、腸の中から神経を通じて脳や血管に「体に良い信号」を送っている証拠だと考えられています。

お腹の仲間たちと作る「オーダーメイドの健康」

川畑先生は、私たちの健康の司令塔とも言える「腸内フローラ（お腹の中にいるたくさんの細菌たち）」と、紅茶ポリフェノールの関係について解説してくれました。

栄養をバージョンアップする「腸内工場」

食事から摂ったポリフェノールのほとんど（約90%）は、小腸では吸収されずに大腸に到着します。大腸で、このポリフェノールは腸内フローラという元気な細菌たちと出会います。細菌たちはポリフェノールの形を変え、元の成分よりもっと健康に役立つ「新しい成分」を生み出すことがあるのです。先生は、「ポリフェノールは腸内細菌を通じて、失われるはずの機能を新しい健康効果へと変換する可能性を秘めている」と、その大きな可能性を強調されました。

あなたに合わせた「個別化栄養」の時代へ

しかし、この「新しい成分」を作る能力は、お腹にいる細菌の構成が人それぞれ違うため、個人によって大きく異なります。ある人には効果があっても、別の人には効果が薄い、ということが起こり得るのです。

現在、この個人差を乗り越えるため、「あなたの腸内フローラなら、どのポリフェノールが一番効果的か」を科学的に解明する研究が進められています。この研究が進めば、将来的には、一人ひとりの体質やお腹の細菌に合わせて、「あなた専用の、最も効果的な紅茶の飲み方」や「あなたにぴったりの健康食品」を提案できる時代がやってくるかもしれません。