働きがいは「健康」から生まれる。パナソニックが描く、フェムテックが当たり前になる未来の職場像

2025年8月22日、パナソニックが中心となり、経済産業省や企業、大学が参加する「DEIとフェムテックが導くパナソニックの人的資本経営 産官学連携トークイベント」が開催されました 。本イベントでは、多様な人材が活躍できる職場環境の構築に向け、女性の健康課題を解決するフェムテックの活用を推進する新たな戦略が発表され、各社の具体的な取り組み事例が紹介されました。

人的資本経営の要となる「DEI」と「フェムテック」

日本社会が直面する少子高齢化やグローバル競争の激化に対応するため、企業には従来の男性中心の人材戦略からの変革が求められています 。多様な人材を活用する「ダイバーシティ経営」は、イノベーションを生み出し、企業の長期的な成長に不可欠とされています 。特に女性の活躍は企業価値向上に直結する可能性が示されており、女性役員を1人以上有する企業は、そうでない企業に比べて金融危機後の回復力が強い傾向にあるというデータも示されました 。日本は、2025年現在女性役員10〜12%と低い数字となっており、2030年までに国の目標としては30%超えをかかげております。
しかし一方で、女性特有の健康課題は、仕事との両立を困難にし、離職やキャリアチェンジの一因となっています 。
経済産業省の試算によると、これらの健康課題による労働損失は、年間で約3.4兆円にも上るとされております。この大きな経済損失を解決し、女性が働きやすい環境を整備するために、テクノロジーを活用した「フェムテック」が注目されています。

産官学連携で推進するフェムテック活用

パナソニックは、この課題を解決するため、複数のパートナーと連携した具体的な取り組みを発表しました。

  • オンライン相談サービス: 株式会社ファミワンが提供するオンライン健康相談サービスは、妊活や不妊治療、更年期症状、睡眠の質、メンタルヘルスなど、多岐にわたる悩みに専門家が対応します。個人情報が不要なため、従業員は安心して利用でき、悩みが深刻化する前に相談できる環境が整います。
  • 自宅でできる検査キット: Varinos株式会社や株式会社リージャーとの連携により、子宮内フローラや卵巣年齢などを自宅で簡単にチェックできる検査キットを提供 。これにより、専門機関での検査にかかる時間や心理的負担を軽減し、早期の健康管理を支援します。
  • 経済産業省の実証事業: 経済産業省が進める「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」は、フェムテック企業、導入企業、医療機関などが連携して行う事業を支援するものです 。パナソニックでもこの補助金が採択されました。
  • 自社本事業は弊社が本年6月2日発表した「体調ナビゲーションサービスRizMo(リズモ)」 を核にした「企業向けサービス事業」の検証を開始しています。
    ※「RizMo」は女性が就寝時に小さな装置を身に着けることで、月経リズムと連動する基礎体温と睡眠状態を計測し、アプリと連動し記録・分析できる新たなサービス。
  • この事業に参加した女性からは、フェムテック活用後に仕事のパフォーマンスが向上したという結果も報告されています 。
  • 大学との連携:慶應義塾大学SFC研究所の学官医連携Femtech集団「Team ROSE」も最新のフェムテック研究として連携しています。イベントにも女性健康科学者 本田由佳先生が登壇され、女性の働きやすい環境として自身のファッションにも絡めたお話をされました。

伊藤忠商事の先進事例

イベントでは、商社としてフェムテック市場の成長を促進する伊藤忠商事の事例も紹介されました 。東京本社に生理用ナプキンや乳がん自己触診手袋などを扱うフェムテック自動販売機を設置したり 、生理をテーマにした企画展「Period museum」を開催するなど 、社員の健康意識向上や社会全体の認知度向上に貢献しています。

その他にも、クラシエ株式会社様が展開するおとな女性の養生食「Fun to Me(ファントゥーミー)」を働き方改革・健康経営の取り組みとして朝型軽食で導入。さらに『Period museum-生理と社会の交差展-』(3/8~7/27)を開催し、来場者数は5,400名を記録しました。社内だけでなく、企画展など社会一体となりフェムテック市場の成長を促進していく先駆けとなっています。

ナソニックが目指す「性別を問わない働きやすさ」

パナソニックは、この取り組みが単に女性のためだけではないと考えています。フェムテックの活用によって、女性が抱える健康の悩みが解消されれば、それはチーム全体の生産性向上につながります。また、健康課題への理解が深まることで、性別に関係なく、誰もが体調やライフステージの変化についてオープンに話し合える職場環境が生まれます。これは、「誰にとっても働きやすい職場」を築くための第一歩です。

業界全体をけん引する新たな一歩

パナソニックは、今回の取り組みを先行して行うことで、他企業にもこの考えを広め、日本社会全体の「働き方」を変えていきたいという強い意志を示しました。大企業が積極的にフェムテックを導入し、その効果を実証することで、中小企業や他の業界にも同様の動きが広がり、最終的には社会全体の労働生産性向上と、より多様な働き方が当たり前になる未来を目指しています。

このイベントで示されたのは、単なる新しい福利厚生の発表ではなく、企業の価値向上と社会貢献を同時に実現する、パナソニックの新しい挑戦と言えるでしょう。

この記事を書いた人
にん

調理師歴15年の料理のプロ。保育園、病院での調理経験により「生まれてから最期までの食事」が作れる。保有資格は調理師、栄養士、薬膳指導者®︎、日本中医薬膳師®︎
美味しくて体に良い食事。を作る、見つける、食べることが得意。

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